2/9『嵐の獅子たち−グイン・サーガ 83』栗本薫・著(早川書房)
グイン・サーガ・シリーズもいよいよクライマックスに近づきつつある。いよいよグインとナリスの初の「ご対面」か、さらにはイシュトバーンやスカール、リンダ、レムスといった準主役陣も吸い寄せられるように集まってきて、もう目が離せない展開となりつつある。もちろん一日で読みきり、早くも次巻が待ち遠しい!
2/10-2/14『だまされないために、わたしは経済を学んだ』 村上龍・著(日本放送出版協会)
村上龍氏が主催するメールマガジン「JMM(Japan Mail Media」に氏が毎週書き綴ったコラムを一冊にまとめたもの。村上氏の社会・経済に対する視点は、一般マスコミの情緒的・皮相的な視点よりも深く、一方学者や評論家、エコノミストといったいわゆる「専門家」のタコツボ的な視点よりも広い。要注目である。
なによりタイトルが秀逸!
2/15-2/21『対立と自立 構造改革が生み出すもの』村上龍・編著(日本放送出版協会)
同じく村上龍氏の「JMM」に連載されている『経済・金融の専門家たちに聞く』を一冊にまとめたもの。日本経済の現状を理解するうえで非常に参考になる。それというのも村上氏が毎回専門家達に問い掛ける「質問」が我々一般人が抱くいわゆる「素朴な疑問」に近い、実は鋭く本質を突いた質問だからである。
2/22-2/27『日本型資本主義と市場主義の衝突』ロナルド・ドーア・著(東洋経済新報社)
いわゆるアングロ・サクソン型資本主義、市場主義というのはどうも評判がよろしくない。しかも、評判が悪いのは日本だけかと思いきや、そうでもないようだ。本書も、アングロ・サクソン型の市場主義を批判し、日本型の資本主義を礼賛している。確かに市場主義がその内にさまざまな問題点を内包していることを否定する者は少ない。しかし、問題はそれを批判することではなく、グローバリゼーションの中にあってもはや「デファクト・スタンダード」となってしまったアングロ・サクソン型市場主義を超える新たなスキームを提示することである。それがよりにもよって「日本型」だというのでは、かなり説得力に欠けるように思われる。
2/28-3/1『凛冽の宙』幸田真音・著(小学館)
我々しろうとにとって、いわゆる経済小説というのは、小説としてのストーリーを楽しみながら同時に経済の勉強ができるという点でたいへん重宝する。その意味で幸田氏の前作『日本国債』はなかなかよくできた経済小説だった。その幸田氏が新作では不良債権問題に取り組んだと聞いて期待して読み始めたが、結果から言うと、今回は「不良債権ビジネスを手がける外資系証券会社を舞台とした」小説といったほうがよく、これを読めば不良債権問題の勉強もできる、というものではない。その意味ではやや期待はずれ(というか、宣伝にだまされた感あり)。
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